【Novel-Trance-Lab】紅月ことねの胎児期退行催眠

◆紅月ことねの胎児期退行催眠

癒やし効果と活性効果を伴った胎児期退行催眠。

赤ちゃんプレイが好きだとかで興味を持たれた方は即バック激励。

母の胎内の中で羊水にぷかぷか浮かんでいた（であろう）頃へ戻ることによって安心感や抱擁感を得てリラックス、そして再び産まれてくるための活力を与えてくれる一作品。

催眠による胎児期退行体験はそれほどでもないけれど、癒やされ感と励まされ感は良い！

鬱々してる時には是非！

◆白いボートの上で寝転んで

まずはプロローグ。

なんでもない語り手の挨拶的な導入に始まるんだけど、さらっと「語り手」の輪郭が強調されていて、催眠導入の際に『小さい白いボートの上、寄り添って二人で寝転んでいる』イメージを補強してくれているね。

最初は添い寝のように二人でボートの上で「ふわ～ふわ～ぽわ～」と穏やかな波に揺られ揺れ揺れ、次第に身体の力を抜いていこう。

穏やかな波に加えて空は抜けるように青く、日差しは優しく、白い雲が綿菓子のようにぽわぽわ浮かんでいる。

ほぅら目の前に綿菓子雲が。ストローで吸ってみよう――そんな風に深呼吸を。

甘く、とろ～んとした幸福感と微睡みが身体の中に入ってきて、それが身体に広がり、満ちていくイメージ。

『私たちはボートに横たわり、波の音を聴いている』、この波に揺れる白いボートの心地良いイメージは何度も語られ、確かに心地良いんだ。

語り手・紅月ことねさんの声も良いものだから、このまま添い寝イメージのまま寝てしまっても良いかもしれない。

というか添い寝して！

『心地良いままボートから出てみない？』

…………はい(´д｀)

◆20段の階段を一緒に降りていこう

白いボートから下りると、そこには20段の階段。

上に登る階段じゃないよ、下に降りる階段だよ！

この階段を降りていけばもっともっと気持ち良くとろ～んとなれるというお誘い。

一段一段、カウントを数えられるようにして降りていくよ。

否応なく階段を降りさせられていくわけではなく、11段目、「もっと深い催眠に落ちていくよ」と。「催眠」という単語を語られてちょっとだけ現実に戻ってこさせられる。

「もっと落ちていくけど、良かったら……頷いて？」

そしてここで頷いたらば退行催眠はどんどん進んでいく。

時間を遡り、どんどん若返っていく。

身体が小さくなっていく。

どんどん退行していく――

――カウントが０になると、もうそこは子宮の中。

ドックン、ドックン……と遠くに母の心音が聞こえる、そして母の声が聞こえる。

◆包み込まれる安心感、愛情と感謝

さきほどの白いボートで波に揺られている感じ、これが更に強化される。

全身を羊水に満たされ、膨らんだ子宮壁があなたの四方八方を完全に包み込んでいる――息苦しい感じは皆無、なにせ臍の緒で母と繋がれているのだから新鮮な酸素と栄養が注ぎ込まれてる。

もう何もしなくてもいい、ただただ安らかに呼吸をしていればいい、そんな満ち足りた安寧をしばし味わえる。

幸せ、夢心地。

そして注がれるのは酸素と栄養ばかりではない、膨らんだお腹を撫でながらの母からの愛情、そして「ありがとう」という感謝。

全てに充ち満ちた子宮のゆりかご。

→『ねぇ、どんな気分？　落ち着いた感じ？　それとも落ち着かない？』

もう落ち着かないわけがないじゃないか！……とも言い切れないわなぁ、こういう安心世界にストンと落ちきれない精神状態って誰しも経験したことがあるはずだから。

◆あなたは産まれてくることをどう思ってるの？

外の世界に出たい？　出たくない？　子宮の中にず～っといたい？

大丈夫、楽に、穏やかにしてあげる。悲観的なものは「私」が受け止めてあげる――

そうしてすでにすっかり胎児期退行は完了していたはずなのに、さらにその先へと進んでいくことに。

『あなたの原点へ』――カウントダウンが再び始まる。

ここからしばらくの部分は敢えて何も事前情報なしに聴いたほうが良いのかな。特別すごい展開になるわけではないけれど、中途半端な事前情報だと言葉が冷めるので。

――ということで少し吹っ飛ばして、次。

◆再びの誕生

さぁ肝心なところをぶっ飛ばして母の胎内から外に出て、誕生する瞬間へ！＼(^_^)／

産湯に浸かり、産衣を着た後は母乳をいっぱい吸いましょう――「甘えてもいいよ、求めてもいいよ、泣いてもいいよ」と母に抱かれて。

『産まれてきてありがとう』と締め括られ、優しいBGMが挿入される幕切れ。

短いエピローグ、そして解催眠音声が続いて終了。

◆まとめ

正直を言うと、この音声作品を聴くちょっと前まで僕はご機嫌斜めで不眠症状がニョッコリ竹の子のように顔を出してきていたんだけど、ずいぶん楽になれた。

あなたは一昨日の晩御飯のメニューを覚えていますか？

思い出せないのは催眠の効果で気持ち良いこと以外を取り去ってしまったからかもしれない――ちょっとニヤッとさせてくれるまとめ方が素敵。

癒やし効果や精神安定効果はもちろん、疲れた心を鼓舞してくれる効果もたっぷり。

そんなわけで癒やし効果などを求めてる方にはどうぞどうぞだけれど、胎児期退行体験はほどほど。退行感覚はあるんだけど、それをじっくり味わったりする時間は短めかな。退行感覚のまま眠りに落としてくれるバージョンも欲しかったりする。

通しで聴いてほぼ1時間。

精神的に疲れている人は是非！

紅月ことねの胎児期退行催眠