【寧色屋】もぐらの恩返し

◆もぐらの恩返し

夜遅くの訪問者。

その正体は数日前に助けた『もぐら』が女の子の姿をしたものだった。

曰く、『恩返し』に来たらしい。

山の温泉を汲んだ水筒を持参したもぐらの女の子、ちょっとおどおどした口調が小動物のよう。

日常生活に潤いを与える不思議ファンタジー感を添えながら、耳拭きの音や耳掻きの音を聴いて癒やされましょう～な一作品。

全編で約1時間13分ほど。

◆もぐらファンタジー

側溝に落ちて動けなくなってしまっていたところを助けてもらったご恩に報いようと訪問してくるもぐら少女。

正直「なんで……もぐら？」と思ってしまうんだけどね、『穴を掘るしか能がないので、耳穴の掃除を』と納得いくようないかないような……でもおどおどした口調が小さなもぐらみたいで可愛く思えてくるので良しとしようじゃないか。

少しネタバレですが、終盤になると『散ることのないサクラ』などのファンタジー要素が追加され、ちょっぴり不思議な非日常感にどんどん包まれていく。

とはいえドラマ重視の作品なのかと言えばそうでもなくて、音フェチ寄り。

実際に恩返しが始まると、汲んできた温泉に浸したタオルで耳を拭う音と耳掻き音をじっくり聴かせてくれるのを邪魔せぬ程度の会話がちらほらあるくらい。

耳を拭う音はゆっくり上から下へ、下から上へと撫でてくれるような感じ。

温泉に浸したタオルで拭った後だからか耳掻き音も少し湿気った感じで。

◆もぐら設定

「穴を掘ることしか能が無い（から耳掃除します）」、「土の匂いがするかもしれない（から温泉に入ってきた）」という『もぐら』設定はなるほどな～と思わせてくれる面白い部分。

温かいので日向ぼっこに出てきて側溝に落ちたというエピソードや、意外とサラサラしている髪（体毛？）なんかも『もぐら』っぽい。

終盤になって『散ることのないサクラ』などの要素が加わってリアル寄りだったはずの世界観がファンタジーに傾き出すと、もぐら少女の生きる世界観に包まれて素敵。うん、それはもぐらの穴に引き摺り込まれるように――というのは大袈裟か！

◆まとめ

若干の出オチな感じはあるんだけど、終盤にかけてファンタジー要素をどういう風に持ち出してくるかというところで上手にまとめきったなぁ～と。

そういう『もぐら』の扱い云々は二の次にしても、温泉に浸したタオルで耳を拭いてもらうパート、良い感じでした。

今度はキツツキを助けて、恩返しに耳掻きしてもらいたいですねん(´д｀)

膝枕してもらえるので視聴スタイルはベッドにごろんで。

もぐらの恩返し