【とみみ庵】お家でゆっくり癒されませんか？

お家でゆっくり癒されませんか？

２１６円

8.2

気持ち良さ

8.0/10

語り口

8.5/10

音質

8.0/10

お薦めできる点

リアルな聞こえ方の音
音フェチ向け
圧倒的コスパ
最後、ちょっと嬉しい展開

微妙だった点

ちょいノイズ感

◆お家でゆっくり癒されませんか？

圧倒的コストパフォーマンス！と言わざるを得ない、心にもお財布にも優しい一作品。

「音フェチ」向けのコンセプトで、バイノーラル録音と相俟ってリアルな響き方の音の数々。

語り手となる「ちょっとほんわかした女の子」には、これといった特徴付けを行わず、メインは「音」。洗髪やマッサージや耳かきといったお馴染みの要素が盛り込まれているけれど、バイノーラル録音でリアル体験するとかいう感じじゃなくて、それらの音で癒やされようという面白いコンセプト。

サクッとした導入が終わると、「整髪・散髪」→「洗髪」、そこから「顔の産毛剃り」をしてもらった後は「頭皮トリートメントとマッサージ」、「耳の産毛を剃り、泡で洗浄」、「耳かき」してもらいながら、そのまま膝枕で「おやすみなさい」。

◆音フェチ向け

「音フェチ」向けってどんなの？

って気になってしまうんだけど、例えばマッサージシーンなどで「もみもみ～」と声で表現する作品とは異なり、しっかりと音で表現していく作風。

僕は「音フェチ」ではないので詳しくはないんだけど、ハサミでチョキチョキ散髪する音などにフェチズムを感じる部分だったりなそうで。

とはいえ変態レベルでその道を追求しているわけではなく、上述の通りで生音で表現している作品なのだと思って貰えばOKかと。

◆電車のシートで揺られて眠るような

看板店員のいるマッサージ屋さんの数々とは違い、浅見ゆいさん演じる「ほんわか女の子」にそれ以上の設定はない。

さらに冒頭の導入シーンもかなりシンプルにまとめられており、状況が飲み込めないままと言っちゃえばそれまでだけど、別に導入なんかどうでもいっか～と言っちゃってもそれまでで、あまり難しく考えずに椅子に座って待っていたら散髪が始まったぞっ!?　だがそれが良い！　と割り切ってどうぞ！

床に広げた新聞紙の音が背景を整えてくれながら、切れ味の良いハサミ、刃先の擦れるチョキチョキ音。

フェチズムは感じないけど、言われてみると確かにこのチョキチョキ音は眠気を誘ってくれるね。

洗髪時には洗面台に反響し、音圧を増す水音などもリアルな響き方。

バイノーラル録音なので、イヤフォンで聴けばその場にいるようなリアリティ、臨場感を感じ取ることができるんだな。

けれども今作で僕が面白いなと思ったのは「音」をメインに仕上げられたおかげで、語り手の「ほんわか女の子」と聞き手の存在感は薄く、背景に溶け込んでいく――なんか電車にガタンゴトンと揺られるままに、その温かいシートに心地良く溶け込んで眠ってしまうような感じになるところ。

同人音声作品を聴いていると「話しかけられるから、聴かなくちゃならない」と思いがちだけど、今作はそんな集中の糸がチョキチョキ音で切られてしまうかのよう。

◆まとめ

一連の癒やしメニューが終わると、開け放った窓から夏の夜の音と情景が流れ込んでくる。

膝枕で優しく頭を撫でてもらいながら眠りましょう。

そのまま背景に溶け込むようにして眠るも良し、ギュッと抱き締めてもらって安らいで眠るも良し。

この内容で圧倒的低価格を実現しちゃってるんだから、気負わずに試してみるのはどうでっしょ？

01　お疲れですか? 02:12
02　整髪 07:59
03　洗髪 10:13
04　お顔の産毛剃り 06:22
05　頭皮トリートメント、マッサージ 11:45
06　耳の産毛剃り、泡洗浄 13:22
07　耳かき 26:16
08　おやすみなさい 16:02
総収録時間　01:34:11